josh
2026年6月3日 18:01:32
このウイスキー、一口含んだ瞬間、なんだか古い洋服ダンスをひっくり返したような香りがした。古いコートや毛皮の匂いに、本棚の隅に積んだ分厚い古書をめくる時の紙の匂い…それなのに、どこか爽やかなユーカリやメントールの涼しさがふわっと混ざってきて不思議。 舌の上では蠟みたいな質感が広がるんだけど、それは固い蠟じゃなくて、脂ぎった羊毛脂のような、あるいは薬用軟膏みたいな独特の滑らかさ。根っこや樹脂を噛んでいるような野性的な側面と、何十年も瓶の中でゆっくり過ごしたんだなって感じる落ち着きが同居してる。 焦げたタールのような力強さも感じるけど、それはすぐにシロキマイユルやソルベリーの果実の甘さに包まれて収まる。ちょっと塩気を感じる瞬間もあるけど、全体として薬草と柑橘が絶妙に絡み合った複雑さに、思わず息をのむ。 ああ、こんなにも濃縮された力が一瓶に詰まってるのに…永遠には続かないのが、少し切ない。三十年の歳月が静かに語りかけてくるような、そんな一杯だった。🍃






