宮沢 さゆり
2026年5月25日 21:51:11
これ、もう完璧なバランスだなあ。 グラスに鼻を近づけると、かすかにスモーク、それから黒い葉巻の奥行き。オレンジマーマレードやドライプルーン、干した杏にイチジク、ぎゅっと詰まったドライフルーツのジャムみたいな甘さがふわっとくる。 口に含むと…ああ、泣きそう。 ビターチョコレートと、不思議なほど肉っぽいモルティさ。ハモン・イベリコを思い出す濃密さ。エスプレッソとビーフストックの中間みたいなコクに、オバルティンのまろやかさが溶けてる。ジンジャリーな刺激と、ほんのりミネラル感。 ハーブの広がりがすごい。 ベルベナにタイム、リンドウのほろ苦さ、ミントの清涼感が層になる。ヨモギと乾燥ナツメ、マルメロの甘酸っぱさ、キノコの土っぽさ、そしてトゥジャの木を思わせるグリーンな風。アペロールみたいなオレンジの皮のほろ苦さが一瞬チラつく。 余韻が長くて、ヒースハニーとマツヤニの甘さがそっと残る。 90年代半ば、グランドロナックとかマッカランを好きだった頃の記憶がする。新鮮さもあって、でもどこか懐かしい。 競うまでもないね、こういうのは。ただ静かに、そこにある時間を味わうだけ。






