笹田 健一
2026年5月25日 09:51:18
口に含むと、まずは柔らかくて分厚いスモークがふわっと広がる。潮の香りがすごくて、磯で大量の海水を浴びてるみたい。 灰っぽさと石炭の煙、それからヨード感。海藻の乾いた風味の奥に、魚醤のニュアンスやアンチョビバターの塩気がチラリ。オイル感が厚めで、舌にガーゼが一枚乗ったようなまったりした舌触り。 漬け汁のような酸味、イカ墨やムール貝の酢漬けを思わせる個性的な旨味もある。蝋っぽい柑橘の皮、レモンの塩漬けの風味が時々顔を出す。 期待値はそれなりに高かったけど、ちょっとだけ複雑さに欠けるかな。エレガントな要素はたくさん感じるのに、全体としては僅かにシンプル。でもそのぶん力強さのコントロールがきちんと効いてて、根っこや漢方のような土っぽい落ち着きもある。 スモークしたオリーブオイルたっぷりな印象で、塩リコリスのほろ苦さもどこかに。好みではあるけど、もう一声ほしくなる、そんな一杯。







